2016年度学習講演会

消費者月間シンポジウム

 
消費者月間シンポジウムを「みんなの強みを活かせ!消費者が主役の社会に!!」をテーマに、ピアザ淡海大会議室において開催しました。
講師に島田広氏をお招きし、「消費者市民社会をめざして~消費者教育の推進とフェアトレード~」をテーマとした講演会、シンポジウムをおこないました。
 
開催にあたり、滋賀県県民生活部課長の山﨑薫氏より「消費者が主役というのは、消費者はその行動によってさまざまな影響を及ぼす主体的な存在であることを認識し、行動すること。安心・安全は、企業だけでも行政だけでも守られるものではなく、消費者や地域の多様な主体がそれぞれの強みを生かして連携することで実現する。消費者市民社会という考えを一緒に広めていくため、消費者が主役となる消費者市民社会の実現にむけたヒントを少しでも持ち帰っていただきたい」と結ばれました。
 
島田広氏の講演では、
①グローバル化と消費者
②世界に広がる持続可能な消費と生産の追求
③持続可能な消費と生産に向けた新しいうねり
④消費者市民社会とは何か
⑤一人ひとりの消費者にできることなどについてお話いただきました。
 
○自分たちの役割意識を持ち、社会に参加する。
現在のグローバル経済の流れは大量生産・大量消費の進行、産業の空洞化など国内の経済にも影響があります。大量消費社会の裏にはまずしい国の労働力や資源により安価で作られた物が多く、そのために深刻な環境問題が引き起こされている例が多数あります。大量消費はこれらの国や未来に使うべき資源をも使用しているのではないかと言われ、持続可能な社会にはなっていません。消費者一人ひとりが行動の重要性を自覚し、地域経済への貢献、児童労働、労働者の人権、環境に配慮など倫理的な要素を考え商品を選択することが重要です。
 
○行動する消費者を作っていくための消費者教育の在り方
行動する消費者の力を使って持続可能な社会と消費者被害のない公正な消費社会をつくる。
劣悪な労働環境や不公正な取引によって安い価格が維持されているものを正当な価格で生産者に支払う(フェアトレード)など、一度にすべてを実行するのは難しいと思いますが少しでも意識してほしい。たまにでもまずできる範囲で始めてみることで経済の在り方は変わっていく力を消費者は持っていると思う事が重要です。楽しくできること、喜びをエネルギーに変えるということがこれからの消費者教育、消費者被害の防止の活動に必要です。
 
○行動する消費者が未来を創る
一人ひとりにできること①「買い物は投票」の意識を持って、悪質な業者とは取引をしない②「フードマイレージ」や環境負荷など値段に現れないコストを意識する。③地産地消にこだわり、お金が地域に落ちるかどうかを考えるなど多数あります。
 
世界を変えるのはこれをすれば良くなるというような特効薬はありません。しかし、一人ひとりが変わり、少しでもできることをやっていく、それを周りに伝えていく、事業者に伝えていく、このような取り組みが大きな流れになって社会を変えていくことだと思います、と結ばれました。