2018年度消費者月間セミナーを開催しました。

2018年度消費者月間セミナーを開催しました。

 
 
 ピアザ淡海3階305会議室に於いて、「ともに築こう 豊かな消費社会 ~誰一人取り残さない~」をテーマとした消費者月間セミナーを開催し、映画「0円キッチン」を上映しました。
 また、上映後の講演では認定NPO法人フードバンク関西の浅葉氏にお越しいただき、「フードバンクってなに?」をテーマにご講演いただき、「0円キッチン」やフードバンクの活動から、私たち消費者自身の役割について考える機会として開催しました。
 
「0円キッチン」上映会では
世界で生産される食料の3分の1は食べられることなく廃棄されていることや、その重さは世界で毎年13億トンにもなることをしりました。
「捨てられてしまう食材を救い出し、おいしい料理に変身させよう!」と考えた主人公が、植物油で走れるように自ら改造した車に、ゴミ箱でつくった特製キッチンを取り付け、各地で食材の無駄をなくすべく活動するということでした。とても考えさせられる内容でした。
 
フードバンク関西浅葉氏講演
 
(1)食品ロス
食品ロスとは、まだ食べられるのに廃棄されている食品のことです。日本の食糧自給率はカロリーベースで39%。平成26年度、日本での食品ロスは621万トンと言われており、日本のお米の総収量850万トンの4分の3にあたる量が廃棄されています。この量は、国連が1年間に食糧援助をしている量の2倍となっています。
事業系の食品廃棄物と家庭系食品廃棄物はほぼ同じ量で300万トンとなっています。食品製造業、流通関連企業から発生する食品ロスは100万トンもあります。
 
(2)消費期限と賞味期限
加工食品には消費期限と賞味期限がある。消費期限は品質劣化が5日以内に顕著に表れる物。賞味期限は製造メーカーが理化学的試験・微生物検査・官能検査(人の五感:におい・色・手触り)の検査を行い、品質保持期間を定めています。製造業者が設定する賞味期間=品質保持期間(健康被害を起こさないように保たれている期間)×安全係数(1以下の任意の数)となっています。
 消費者は鮮度のよい食品を好むため、企業は最短の安全係数0.8で計算し、1995年の法律改正から、賞味期限を表示する事と引き換えに製造年月日を表示しなくても良くなりました。そのため、製造年月日と賞味期限が併記されているものがなくなり消費者には食品の賞味期間がわからなくなりました。
 
(3)家庭からの食品ロス
家庭から廃棄される食品ロスが200万~400万トンと推定されています。家庭で廃棄される生ごみの内、約4分の1が手つかずの食品であり、その内の4分の1が賞味期限以内と言う事です。ほとんど全量が焼却・埋立処分となり、1年間に一人15㎏の食品を捨てていることになります。1世帯に直すと、年間で6万円分に相当、全世帯で計算すると10兆円を超える額です。
 
(4)フードバンク・フードドライブの取り組み
 家庭からのもったいない食品を減らす手段としてのフードドライブ。
 フードドライブとはご家庭で余っている食品を持ち寄り、それを必要としている福祉団体、施設に寄付する活動のことです。その他にも日時を決めて、定期的に家庭に余っている食品を持ち寄って、近所におすそ分け、交換をしたり、フードバンクに寄付する。
 フードドライブの効果として、①家庭のもったいない食品に気付く②賢い消費者になるきっかけとなる③皆で支え合う暮らしやすい地域作り④家庭からの食品ロスが減り環境保全にもつながります。
 
(5)まとめ
 日本の食品ロス量から考えると、フードバンクはさらに発展する必要があります。みんなの笑顔が私たちの励みです、とお話を結ばれました。
 食べられるのに捨てられて食品ロスにならないようにする「フードバンク関西」の活動について学び、“エシカル消費”をすすめていくことを参加者らと共有しました。