2019年度消費者月間セミナーを開催しました。

2019年度消費者月間セミナーを開催しました。

 
 
 2019年5月25日(土)ピアザ淡海2207会議室に於いて、「ともに築こう 豊かな消費社会 ~誰一人取り残さない2019~」をテーマとした消費者月間セミナーを開催し、映画「甘いバナナの苦い現実」を上映しました。
 また、上映後の講演では立教大学異文化コミュニケーション学部教授の石井正子氏に、「21世紀にバナナがわたしたちに投げかける問い」をテーマにご講演いただき、バナナを通して私たち消費者自身の役割や、フェアトレード・エシカル消費について考える機会として開催しました。
 
内容
 
 日本でも身近な果物「バナナ」。しかし、その生産現場を私たちが目にすることは、ほとんどありません。バナナの主要な輸入先であるフィリピン・ミンダナオ島では、近年「高原栽培バナナ」の生産が盛んに行われていて、寒暖差の大きい高地で栽培されるバナナの糖度は高く、日本に輸出するために開発されました。ですが、生産地近隣では、農薬の空中散布により多様な問題を抱えていることがわかってきました。一方、公正な取引き・農民の自立、減農薬をめざすバナナ生産者、そして支援者も徐々に広がりを見せています。
 
 海外にある生産地は消費者には見えにくく、その中で、なぜとても安いバナナを私たちが食べられるのか。生態系や生物多様性を考えた場合、大規模なプランテーションで生産性を求め、それに払う代償はないのでしょうか。
 野菜や果物でもそうだが、傷がない、虫がついていない、曲がっていない綺麗なものしか出荷できないことも考えることの1つ。りんごやみかんより簡単に皮を剥いて食べることができるバナナや、加工品の消費が多いことなどから、簡単に簡易に食べられる果物や食品を私たちが嗜好しているのかもしれない。
 また、貧富の差が開きかけている日本ではエシカル消費を推奨しても選択できない消費者がいるかもしれません。この消費者の分断をどのように考えるのか。
 生鮮の食物と、それを生みだす農業や自然環境、私たちはどのようなライフスタイルを選択したいのかをバナナから問われているのではないかと思うと述べられ話を結ばれました。